
アートメイクは金属アレルギーでもできる?色素・MRI検査の可否
アートメイクで使用される色素には、酸化鉄など微量の金属成分が含まれています。
そのため、「金属アレルギーの人はアートメイクを受けられる?」「MRI検査への影響はあるの?」と不安に感じる方もいるでしょう。
実際には、パッチテストで問題がなければ施術可能です。また、FDA・EMA認可の安全性の高い色素を選ぶことで、リスクを大幅に軽減できます。
本記事では、アートメイクと金属の関係をわかりやすく解説するとともに、アレルギー体質の方が注意すべきポイントやクリニック選び、アフターケアの重要性についても詳しく紹介します
東京医科大学卒業(2004年)東京医科大学卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、 都内皮膚科・美容皮膚科院長として勤務。平成24年より医療法人容紘会高梨医院 皮膚科・ 美容皮膚科を開設。美容皮膚科領域で多数の治療に携わる。

金属アレルギーの方へ|施術前に確認したいこと
- アレルギー歴(ピアス・金属・化粧品・染料など)をカウンセリングで必ず共有する
- 可能ならパッチテスト/テスト施術の有無・方法・判定までの期間を確認する
- 使用する色素の情報(成分開示・管理体制・使用実績)を事前に聞いておく
- MRI予定がある人は、施術前後どちらでも検査先に申告する(検査前に伝えるのが安心)
- クリニックは症例数が多くカウンセリング体制が整ったクリニックを選ぶ。
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Contents
金属アレルギーでもアートメイクは受けられる?
基本的に金属アレルギーでも、アートメイクは受けられる場合が多いです。
ただし、色素(インク)には酸化鉄など金属由来の成分が含まれることがあり、体質や原因金属によっては反応が出る可能性もあります。
金属アレルギーは、ピアスや銀歯などの金属がきっかけで起こる皮膚炎(かぶれ)を含むアレルギー症状の総称です。
症状の程度には個人差があるため、「もしかして?」と不安がある方は、カウンセリングや問診で必ず申告しましょう。
パッチテストとは
見えにくい部分にほんの少し色素を注入し、問題がないか確認する検査。結果の判定には最低でも72時間かかるため、金属アレルギーの可能性がある方は、予約時点でクリニックに伝えておくとスムーズです。
アートメイクで使う色素(インク)について
アートメイクの施術で金属アレルギーの可能性があるのは、針を使用することと、色素に金属(酸化鉄)が含まれているためです。
安全にアートメイクの施術を受けるためには、色素選びも重要なポイントのひとつ。
安全性の高い色素(インク)を選ぶ
今の技術ではアートメイクの施術で使用する色素に含まれる金属をゼロにすることは難しいものの、金属の含有量をごく微量に抑えた色素であれば、アレルギーなどのリスクは軽減されます。
選び方の目安としては、施術を受けようとしているクリニックが使用している色素が、FDA(アメリカ食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)の認可を受けたものであるかどうか、確認してみるといいでしょう。
FDA・EMAとは
- FDA:アメリカの政府機関であり、ここから認可を受けるためには厳しい基準をクリアする必要があります
- EMA:European Medicines Agency(欧州医薬品庁)。EUの機関であり、人間及び動物用医薬品の評価及び管理を行う機関
多くのでは、FDAやEMAに認められた天然成分主体の金属含有量が限りなく少ない色素を使用して施術をおこなっております。
MRI検査を受けるときは事前に申告する
アートメイクを受けた後でも基本的にはMRI検査を受けることができますが、安全に施術を受けるためにも必ず事前に医師に伝えておくようにしましょう。
MRI検査では、磁石や電波を使用して検査をおこないます。このときにアートメイクの色素に含まれる微量の金属が反応し、熱く感じる、やけどしてしまう可能性も考えられるためです。

その他のアレルギーの方がアートメイクを受けるときの注意点
ここからは、その他のアレルギーの方がアートメイクを受けるときの注意点について解説していきます。
花粉症の方の場合
ヒノキ、スギ、ブタクサなど花粉症もさまざまですが、花粉の成分自体がアートメイクの施術に影響することはないため、花粉症だからかぶれやすくなる、などということはありません。
ただし、アイラインアートメイクを入れたいと考えている方で、花粉症の症状がある方は、シーズンを避けて施術を受けるようにしましょう。
花粉症シーズンはどうしても目がかゆくなってこすってしまったり、涙が止まらなくなったりすることがあるため、花粉の時期が過ぎてから施術を受けるようにしましょう。

薬物アレルギーの方の場合
アートメイクの施術では針を使うため、施術前には痛みの緩和のために麻酔クリームなどを塗る処置をおこなうことが多いです。また、感染予防のために消毒薬なども使用します。
薬物アレルギーの方の場合、麻酔クリームや消毒薬でアレルギーを起こしてしまう可能性も。そのため、これまで麻酔や消毒薬でアレルギー症状が出たことがあるという方は、施術前の問診で忘れずに伝えるようにしましょう。

アトピー体質の方の場合
アトピー体質の方のなかには、肌が敏感でちょっとした刺激で肌荒れが起こってしまったり、毎日のスキンケア化粧品やファンデーションなどでかぶれてしまったり、頻繁に肌トラブルに悩まされている方もいらっしゃるようです。
ふだん使っているメイクアイテムで炎症を起こしてしまうと、メイクをするのが難しいこともありますよね。
しかし、肌が荒れて敏感になっている状態でアートメイクの施術を受けると、針や色素、消毒薬などの刺激によってアトピーが悪化してしまう可能性もあります。

ケロイド体質の方の場合
アートメイクの施術によってケロイドを引き起こしてしまう可能性があるため、ケロイド体質の方の施術はお断りしているクリニックもあります。
ケロイド体質とは
皮膚にできた傷あとが赤く盛り上がり、ミミズ腫れのようになる「ケロイド化」が起こりやすい体質のこと
それでもどうしてもアートメイクを受けたいという場合は、施術にはリスクがあるということを十分理解したうえで、カウンセリングでしっかり話し合うことが大切です。

アートメイクは必ず医療機関で受けることが大切
針を使用するアートメイクの施術では、金属アレルギーのほかにも感染症やケガなどのリスクもあります。
アートメイクは医療行為であり、医師免許もしくは看護師免許をもち、専門のスクールなどでアートメイクの技術と知識を身につけた施術者でなければ、施術は行うことができません。
簡単に言うと、アートメイクを行うためには資格が必要になります。
アートメイクは必ず、衛生管理やアフターケアが徹底されたクリニック・病院などの医療機関で受けるようにしましょう。
アレルギー体質の方がクリニックを選ぶポイント
クリニック選びで重要なポイント
- 医師が常駐している
- 質の高い色素を使用している
- カウンセリングが丁寧
- スタッフの技術と経験が豊富
- 施術後のケアが手厚い
上記のポイントを意識してクリニックを選ぶことで、アレルギー体質の方でも比較的安心してアートメイクが受けられるでしょう。
最大限リスクを減らすためにも、施術前も施術後もしっかり医師に相談できる状態を整えておくことをおすすめします。

アートメイクとアレルギーに関するよくある質問
アートメイクは金属フリーで受けられる?
現状、アートメイクで使用される色素に金属が全く入っていないものはありません。しかしながら、金属の含有量が少ない色素を使用しているクリニックもあります。パッチテストが受けられるかどうか、金属アレルギーでも受けられるかどうか、カウンセリング時に相談してみると良いでしょう。
アートメイクのパッチテストのやり方は?
クリニックによってもパッチテストの方法は異なりますが、二の腕や耳の後ろなどに使用する色素を塗布したり注入したりして行われることが多いでしょう。結果はすぐに確認できず、最低でも72時間待つ必要があるため注意が必要です。
アートメイクでアレルギー反応が起こるとどうなる?
アートメイクによって起こるアレルギー症状としては、かゆみや腫れ、発疹などが一般的です。もしこのような症状が起こってしまった場合はすぐにクリニックに相談しましょう。
アートメイクで金属アレルギーを発症することはある?
アートメイクの色素に含まれる金属はごく微量であるものの、施術によって発症してしまう可能性はゼロではありません。不安がある場合は事前にパッチテストを受けておくことをおすすめします。
アレルギー以外でアートメイクができない人の特徴は?
クリニックによっても異なりますが、妊娠中の方や重度の皮膚疾患を持っている方、美容整形施術直後の方などは施術ができない可能性があります。
アートメイクによる金属アレルギーの症状はいつ起こる?
金属アレルギーは遅延性アレルギーと呼ばれており、金属に触れてからおよそ1~2日ほどで症状が出ると言われています。施術後すぐに症状がでるわけではないため、アートメイクを受けてから数日間は様子を見ておく必要があるでしょう。
アレルギーを持っている人がアートメイクを受ける際の注意点は?
アレルギーを持っている方は、必ず医療機関でアートメイク施術を受けましょう。無資格のサロンでアートメイク施術が提供されていたり、セルフアートメイクキットがネット上で販売されていたりする場合もありますが、アレルギー症状が起こってしまった際にスムーズに治療を受けることができず危険です。
アートメイクは金属アレルギーでもできる?注意点まとめ
金属アレルギーやその他のアレルギー、アトピー体質の方でも、パッチテストで問題がなければアートメイクを受けることが可能です。「金属アレルギーだから」と施術をあきらめていた方も、まずはクリニックでのカウンセリングで相談し、パッチテストを受けてみると安心でしょう。
さらに、安全性の高い色素を選ぶことも重要です。質の低い色素はアレルギー反応のリスクを高めるだけでなく、施術後の変色リスクも生じます。
クリニック選びの際には、どのような色素を使用しているのか、事前にしっかり確認しておくことをおすすめします。

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